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文化・フェスティバル

多彩なイベント 新しい文化

 屏東県は多様な族群(エスニック・グループ)が暮らす地域で、それぞれの族群が伝統行事を通して自分たちの文化を表現しています。伝統とは現代から未来に続いていくもので、親から子へと継承される中で新しい伝統がつくられています。

 歴史の流れの中で台湾は常に外来政権による植民地支配を受けてきました。オランダ(主に台湾南部、現在の台南以南の地域。同時期、台湾北部はスペインによって統治されていました)に始まり、鄭氏政権、日本、国民政府などです。これら外来政権の宗教は台湾人の信仰に深い影響を与えましたが、台湾では今でも日常生活の中に民間宗教が息づいています。

 植物が芽を出し、虫たちが地中から顔をのぞかせる春。農民は春分になると田植えを始めます。
 旧暦の正月期間中、客家の農村では拝新丁や作福、攻炮城など客家伝統の行事が行われ、閩南人は「王爺奶奶回娘家」という祭りを催します。
 毎年春にはロックフェス「春天吶喊」が開催され、暖かな陽射しのもと海風の吹く恒春半島に若者たちの歌声が響きます。

 オリジナルソングで盛り上がる「春天吶喊」が終わると、木々の間から元気な蝉の鳴き声が聞こえてきます。夜空に満天の星が輝く夏、屏東県では漁業観光の目玉、クロマグロ観光文化季が開催されます。恒春半島の星空には星空吶喊--南十字星が輝きます。

 春に耕し夏に草取りをし、そして収穫の秋を迎えます。三年に一度行われる「東港迎王祭典」は屏東県で最も重要な伝統行事で、東港の海辺で開催されます。県内の21箇所で迎王祭典が行われ、開催時期や規模はそれぞれ異なります。(注1)  
 現在、屏東県の3大迎王祭典は東港、南州、小琉球の迎王祭典で、南州と小琉球の祭典は東港の祭典から分かれたものです。

 屏東県に住む原住民の主な伝統行事はパイワン族の5年祭です。秋に行われるこの祭りは豊作を祝う祭りで、祖先の霊に供え物を奉げ来年の豊作を祈ります。  
 祭りは大武山最北端のPaumaumaqの地で始められ、その後、大武山脈沿いに南下しながら最南端の地まで6ヶ月かけて行われます。

 パイワン族の5年祭には決まった流れはなく、それぞれ異なる方法で開催されています。
 来義郷古楼に住むパイワン族の頭目家族の口伝によれば、約期(kicun)から始まり、霊を迎える、霊を送る、そして最後の儀式で禁忌を解くまで合わせて12の段階があります。(注2)

 秋のイベントでは車城郷の温泉観光文化季も忘れてはなりません。車城郷の温泉は台湾4大名湯に数えられ、紅葉に彩られた山々の景色とともに名湯が楽しめます。  
 また恒春半島では恒春国際民謡節が開催され、地元の独特な民謡が大勢の歌手によって披露され、アマチュアの歌手、陳達の民謡精神が継承されています。

 冬は萬物が休息する季節です。  
 この時期、台湾最古のカトリック教会がある萬巒郷は神聖な雰囲気に包まれます。また加蚋埔では平埔族の夜祭が行われ、スローテンポな曲で神に新しい年の平安を祈ります。

 このように屏東県では四季折々、様々なイベントが行われ、深い精神性を受継ぎながら新しい文化が育まれています。これらの多彩なイベントの開催は様々な族群が共存する屏東県の多様性を表しています。
 
注1:参考資料『屏東県志2014年版』
注2:参考資料『屏東県志2014年版』