屏東県在住の黒豚の専門家 李榮春氏は2016年に全国百大青年農家に選出されました。そして今年、李榮春氏が経営する「春發成實業有限公司」は経済部第19回新創事業賞のマイクロ企業グループ金質賞の栄誉を獲得しました。李榮春氏は、消費者の記憶に残る懐かしい黒豚の味を復活させるために「畜穀農產有限公司」を設立し、屏東県政府より「屏東職人町」常駐企業に選定されました。実店舗を通じて、肉燥飯や焼肉飯などの温かくて美味しい料理や新鮮な肉製品などを提供し、職人の精神と黒豚品種の飼育の復活という使命を継承しています。
潘孟安県長は次の通り述べています。国際的な販売戦略の変化がもたらす課題と、業界のアップグレードが急務であることから、屏東県政府は将来に向けて、畜産生産と販売の指導を強化し、施設や設備の改善に取り組んでいます。また、畜産農家の企業化や持続可能な経営に向けた動きを奨励し、環境汚染の削減と農地での廃棄物の再利用という循環型農業の実現により牧畜環境全体をもっと強化することで、本物の産業競争力を持ち、産業、経済発展、友好的な環境保護において3つのウィンを達成したいと考えています!
屏東県は台湾最大の農業・畜産県で、豚の飼育数は122万頭に達し、黒豚は20万頭生産しています。これは台湾全体の約20%を占めており、屏東の養豚業の特徴の一つでもあります。台湾原産の黒豚は数世代に渡る交雑を経ているため標準的な体型はなく、毛色が黒いだけで通称「台湾黒豚」と呼ばれています。よって遺伝子や血統が異なるため、個々の黒豚の肉質にも違いが生じています。春發社では「平埔黒豚」を繁殖し、バイオテクノロジー技術を利用して台湾原生種の特定と復元によって種を守っています。今年は新型コロナウィルスという市場の課題に直面する中、「台湾のために黒豚種を救う」という使命を掲げ、業界の新たなチャンスを発掘し続けています。伝統産業は永久に続くものではないということは明らかであり、企業化経営精神を目指すことで、伝統産業を持続的に運営することができ、黒豚産業をさらに発展させることができると考えています。